お引越し後に取り壊されるような建物で無い限り、積み地(旧居)でも養生を行います。この養生も2000年前後を境に競争が激化して、今では引越し専業を名乗る業者であれば何処の業者でもやるようになりました。
玄関から廊下の床や壁、階段などを専用の資材を使って養生していきます。養生用の材料も年々改良されて迅速に作業が出来るようになっています。
勿論、養生をすることによって家屋に傷をつけることを防ぐことが第一の目的なのですが、それ以外にも見た目の安心感を皆さんに与えるという目的があります。私の引越し作業が熟練してきて「率いているメンバーの作業に自信があるので養生なんてしなくても大丈夫!」という感覚になりかけていた時に、上司から言われたことがありました。「いつ何処で誰がお前達の作業を見ておられるか分からない。当日のお客様以外にもお手伝いに来られているご親戚やご近所の方々や通りすがりの方々が、いつ何時次のお客様になるか分からない。その方がお引越しを検討された時に、お前達の作業を見て好印象をもたれていたとしたら、きっとその方は我が社に見積もり依頼のお電話を掛けてくださるだろう」ということなんです。
その言葉に私は正直感動しました。自分自身がいつまで引越し業界に携わっているか分からないけれど、何の業界で何の商売をするにしてもこの心意気を忘れなければきっと成功するに違いないと!
こういった地味な努力が良い噂を次々に生み出して、在籍した営業所のエリアでリピーターや再度の利用の方が凄く増えたことを今でもよく覚えています。
その後、何処の業者でも養生をビッチリやることが当たり前になって効果が半減しましたが、逆に今では競争過多になって無駄な養生も多いのかもわかりませんね。。
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