なにがし引越しセンターと名乗っている業者でも、意外と本当に引越ししかやっていないという業者は少ないです。かなりの営業努力と「引越し以外は取り組まない」というポリシーが無ければ、折角作業員とトラックが空いているのに、その他の運送を行って売上を上げない手は無いからです。
一般の運送業者さんが引越しが意外と儲かるらしいという情報を得て、電話帳に社名を載せたり広告を打つ時の為に、「引越しセンター」と名乗ってみたり、引越し専門のセクションを作ったりする場合が多いのです。
引越し専門のセクションを設ける場合も、事務所スタッフや営業マンを引越し専門に配置するだけで、その仕事の入り具合で臨機応変に通常の運送業務を普段行っている作業員を引越しの作業に臨時で回したり、短期バイトを雇ったりして対応するケースが多いです。
私が運送業者に勤めていた時は、普段の集荷・配達業務の為に与えられたトラックの荷台の側面には「・・・引越しセンター」という文字が入っていましたが、私自身はほとんど引越し業務に携わることが無かったです。その会社の事務スタッフに聞いたことがありますが、「引越し部門を作って売上アップを考えたが、トラブルや破損が多すぎて割に合わないから最近はあまり引越しの仕事をとっていない」といっていました。
集荷・配達の一般の運送業は今でこそセールスドライバーといってサービス業化を図っていますが、その業務の性質上どうしてもサービス業に徹することは難しいです。それはそれで職人的な技術やスピードが求められますし、燃油の高騰など業界を取り巻く環境も厳しくなって、引越しをサービス業として専門に取り組む作業員の質に敵う訳がありません。
ですから全ての条件が同じで、引越し専業者と運送兼業者の引越し料金が同額ということはありえないわけです。
ここまでは兼業者の悪いことばかり書きましたが、見積もりを取ってみて明らかに料金が兼業者のほうが安くて、皆さんが今回のお引越しに関して丁寧さを求めないのであれば良い選択だと思います。
私がお話したことを踏まえた上で、営業マンに引越しの作業員の育て方について聞いてみると良いと思います。すると兼業者と専門業者との差が見えてきますし、見積もり額と照らし合わせて比較検討されると良いと思います。
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