yahooやgoogleで「引越し」と検索すると、名前をよく聞く引越し業者さんのサイトとは別に引越し業者に一括で見積もりを取れるサービスを行う比較サイトが目に付きます。
引越し関連に限らず色々な分野で最近このような「比較サイト」が目に付きますが、そもそもいつ位からどの様に出てきたのでしょうか?
引越し業界に関してですが、本格的に整備された比較サイトが複数出てきたのは2000年以降です。
もともと引越しという商品の性質上、引越し業界は不動産業界からのお客様の紹介に依存する体質がありました。今もそうだと思います。不動産業界から見れば、その紹介料は大事な収入源の一つでした。
引越しをする人を集客できるサイトを立ち上げれば引越し会社にとって意味があるし自分達の収入源になると考えて、不動産業界の法人や個人が手作りに近いような感覚のホームページで2000年以前から今の比較サイトの前身のようなサイトを立ち上げました。
当時はまだパソコンの性能やインターネットの回線速度が遅く市場も大きくなかったのでサイトの数も少なく、そのサイトからの個人情報に対する引越し業界側の対応も不慣れで売上に貢献するというよりは面倒がっていた感があります。当時のネットユーザーは特徴的な人(笑)が多かったのでなおさらです。
2000年を過ぎた頃からパソコンの性能が格段に向上し安価で個人が持てるようになり、OSがXPになってより使いやすくなり、インターネットの回線速度も速くなり会社の営業活動は勿論、個人のインターネットの利用割合が急激に増えました。
いわゆるIT業界が急激に伸びてきたのです。インターネット上での集客に向いている商品とそうでない商品の分析などに優れている(というよりそれが専門)IT業界からみると「引越し」は、最も魅力的な分野の一つだったようです。
当時、私はある引越し会社のIT事業部に所属していました。毎日のように「新しく引越し業者比較サイトを立ち上げるから参加して欲しい」というIT業者の営業マンが来ていたように記憶しています。
IT業者のインターネットの分析や集客力は凄いです。それまでの不動産業界主導だった引越し業者比較サイトの構図が2002年から2003年の2年間で見事に変わってしまいました。
更に引越し業者比較サイトを立ち上げるIT業者の数は飽和状態になりました。目先の利益を追求するタイプのIT業者やネット集客力の劣る業者さんは淘汰されていきます。
そして現在、少し落ち着いてきました。次の記事以降で現在の状況を解説します。 |